君とした約束
すると笑ってうなずいてくれた。
『思いっきり投げろ！』
思いっきり…
私はボールを持って、刹那に向かって投げた。
決して速くはないボールだった。
『ナイスボール☆』
投げたボールはきれいに刹那のグローブの中に。
ちゃんと捕ってくれる。
これがキャッチボール。
あたりまえな事なのに、とても嬉しく思えた。
『んじゃいくぞ』
「よし！こい！」
ちょっと男子っぽく言ってみた。
すると刹那は笑っていた。
『琉璃、笑える…』
「いいじゃん？」
『だな！』
お互いの目が合って、ボールを投げる合図のようにうなずいた。
