君とした約束
家に帰る前に刹那の家に行き、刹那のお母さんに会いに行った。
「あら、琉璃ちゃん」
「あの、刹那は…」
おばさんは顔を下げた…
「昨日ランニングしてたら車にひかれかける、小さな女の子がいて、それを助けに行ったら、刹那は足に…」
足をどうしたんですか…?
早く言ってよ…
「ひびがいったらしくて、さっきレントゲン撮ったら折れてたみたいなの…」
それで倒れたの?
刹那は女の子を守りたかったんだね。
足にひびがいってるのわかってて、試合に出たの?
私との約束を守るために。
刹那は優しいね。
苦しいはずなのに…
なんで、私は気付かなかったの?
私の馬鹿、バカ、ばか!!
「私も試合に行かせるの止めたのよ…
だけど、“あの約束は絶対守りたい”って言って家を出たの」
あの約束ってきっと…
「あの!刹那何処にいるんですか?」
「〇〇病院の306号室にいるわ」
おばさんは紙にメモって渡してくれた。
渡すとおばさんは「行ってあげて?」って言った。
おばさんも辛いはずなのに。
私はおばさんに深くお辞儀をして、〇〇病院まで走った…
「待ってて、刹那…」