音友~オンガクトモダチ~
中に入ると、まず広い玄関が見えた。
「ふぅん。靴、履き替えるとこはここなんだぁ。」
達也が言う。
「うし。ここからは自由行動だ。好きに見ていいぞ」
パパがそう言うと、ママはキッチンに、達也は自分の部屋に
パパはリビングに行った。
「優?自分の部屋見ないの?」
ママが私に聞いてくる。
「・・・あっそうだね。」
あれ!?なにボーっとしてるんだろ?
そう考えながら、私は階段を上がって自分の部屋に入った。
;中は、前の家の8畳の部屋に変わり、10畳になった。
最初に見えたのはクローゼット。中はゆとりがあって、使いやすいそうだった。
次に学習机、小型テレビ、本、漫画棚が見えて、最後にベッドがある。
ベッドは前と変わってないんだなぁ・・・。
前の部屋と同じ地味でモダンな部屋。良かった

「ねぇ、達也。達也の部屋も見せて。」
「ぅん。いいよぉ。」
達也が言うと、部屋を見せてくれた。
中は8畳。私の部屋より少し狭いけれど、5歳だったら十分でしょ。
私はそう思った。
入ってみると、カーテンはくまの柄。(達也はくまさん、くまさんって言う。)
ロフトの上にあるベッドもシングル。達也にとっては最適な部屋だった。

次の日から、ダンボールに入った物を出して部屋におく準備が始まった。
私は部屋に行くと、ダンボールだらけ。
早く片付けないと・・・!!

片付けは丸々一日かかった。
ふわぁ。疲れた。
あと3日で学校かぁ・・・
私は、美並小学校に通う予定だ。
引っ越した事ないから不安だけど、
がんばろ!! そう思った。

学校に行くまで明日!!にせまっていた。
ドキドキするけれど、前の学校のみんながいるから大丈夫!
前の学校の友達からもらった、手紙を読みながらそう思った。
「はぁぁ。暇だなぁぁ!!おし。弾こっかなぁ!」
私は、ギターを持ってお庭の地面にあぐらをかいて座った。
そして、ギターを弾きながら小声で歌った。曲は・・・
達也の大好きな、「春の鳴き声」。
歌っていると、一人の男の子が通り過ぎていく。
ジロジロ見ながら・・・
なんだろ!?私はそう思いながら、曲を続けた。
「でも、なんか・・・かっこいいな・・・♪」
< 5 / 14 >

この作品をシェア

pagetop