キミに、出会って良かった。
嘘をつきすぎた少女
私は、小学校の頃から嘘をつくのが得意だった。
嘘をついて、友達をだましたり、先生をだましたり、けれど、
1人だけだませない人がいた。
”柊 音斗”
私の元彼。

私は桜井沙菜。嘘がダイスキな中学2年生。
ここは北海道。
実は私は彼氏がいない。
・・・いや、前はいたんだけど。
名前は柊音斗。

出会ったのは・・・ちょうど2年前の今頃だったかな・・・。

_2年前、8月20日_
「やばいぃぃ!!ちこくだぁぁ!!」
朝7時50分。HRがはじまるまであと10分。
「い、いってきまぁぁぁぁぁぁすす!!!!!」
今日は朝から寝坊。そのうえ階段で転んで頭が痛い。
   ードンッ!ー
「いてっ!!」「いたっ!」
「あ・・・。すいません!!」
「・・・うわぁ・・・。足いたっ・・。」
こうして嘘つけば、おぶってくれるはず!ねぇ!
「・・・。嘘だな。お前、足痛くねぇだろ。」
「は・・・?え・・・痛いんだけど。なぁ・・・?」
「・・・ほら、手。かしてみ。」
「うん・・・。」
結局、この日は遅刻した。そのうえ・・・。
「沙菜!!メアド教えろよ!!」
コイツが休み時間のたびに来る。
「・・・やだって言ってるジャン。」
なまえは音斗っていうらしい。
「・・・ふむふむ・・・。ケータイ可愛いね。」
「ちょっ!勝手に見ないでよ!!」
   -キーンコーンカーンコーン-
「じゃっ!メール、すっからな。返信しろよ。」
・・・この時は気がつかなかった。
音斗がわたしの人生最後の彼氏になるなんて・・・。
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