新聞部部員AとBの事情。
「…というわけで!私は部長にときめいてしまったわけで!」
「え、全然わかんない。」
目の前の柚木の熱弁に、利郎はノートパソコンを開いたまま思わず突っ込みをいれた。
カタカタカタカタ
「つまりそのまま部長とともに倒れ込んじゃって、普段全くいかされていない厚い胸板にときめいちゃったの?」
ノートパソコンの画面に視線を戻し、ふぅと利郎はため息をついた。
なんてベタな。
読めてしまった展開に、そうそうに興味を失い傍らの湯のみに手を伸ばす。
今日は緑茶だ。
しかたないから柚木にもおかわりを注ぐ。
「あ、どうもですっ。いや、それがですね、倒れ込んだというよりナイスキャッチされちゃって。」
ナイスキャッチ…!
嬉しそうに湯のみを小さな両手で持ちながらすごい事を言う。
簡単に言うが仮にも高校女子一人が階段から落ちてきたのだ。
恐るべし部長の筋肉。