新聞部部員AとBの事情。
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「あ、もういい。その後の事は知ってるから。」
“え、もういいんですか?”と訴える柚木の瞳をチラリと見て、利郎は不機嫌そうにディスプレイに視線を戻す。
「だってその場に俺もいたからね。」
“どうせ覚えていないんだろう?”と勝手にふてくされたような声が出てくる。
その日は休みだったのだ、部活動紹介などなければ。
そして顧問に泣き憑かれて“部長代理”なんて面倒くさい事を押し付けられなければ。
『みずっち!!お願いだよぅ~僕の首が飛んでっちゃうよ~(泣)』
『また今度“みずっち”って呼んだら、俺自らその可愛らしい頭部を飛ばして差し上げますよ?』
『ひ~っ!!』
なんでこうも自分の名前をマトモに呼べる輩が少ないのかと、色々思い出して利郎は溜め息をつく。