新聞部部員AとBの事情。


「先輩嘘八百…」


机に身を乗り出した勢いで柚木はノートを覗き込む。

利郎はシャーペンを握ったまま品よく首を傾けて柚木を見据える。


「俺は嘘吐きなんだよ。それとも“恋バナ”とでも書こうか?」


「レイアウトでいいです。」


そういいながら柚木は首をすくめてぴょんっと自分の椅子に縮こまった。

それから真っ白のままの原稿を観念したかのように見つめ、なにやらブツブツものを言っている。


おそらく。この先も使用されないであろうペンを握りしめ、柚木は少し低い椅子の上で器用に正座している。


ちょこん。


そんな効果音が聞こえて来そうだ。







彼女は学年1チビらしい。



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