新聞部部員AとBの事情。
緋芽はその間、悲鳴を上げるか(奇声に近い)
顔を赤や青に点滅させるか
ぴょんぴょん跳ねるかするだけでまともな答えは出てこなかった。
…こちらもここまで取り乱すとは…。利郎にとっても予想外。
ちょっとつついて遊ぶつもりが、後々面倒なものが全部自分に回って来そうなので、早めに手を打つことにする。
「やっぱりかわりに俺が説明します。」
「うわわわみずみず!!」
あ、とか、う、とか言ってまともに返事が出来ない緋芽をしり目に利郎は淡々と喋り出した。
「まず、部長が告白したのは真っ昼間の教室。」
いやぁぁぁぁあぁとうずくまりながら緋芽が悲鳴をあげる。
そうとうトラウマだったんだろう。しかし利郎はお構いなしに進める。
「部長は緋芽先輩のクラスメート全員の前で先輩に濃厚な愛を大声で叫んだ。しかも歌付き。」
「歌付き…」
みくは少しほほを染めながら興奮したように、ほぅ、と相づちを打つ。
「そして緋芽先輩は極度の恥ずかしがり屋だ。」
こんなんでもね。っと緋芽には聞こえないぐらいの声で利郎はぼそっと呟いた。
緋芽は緋芽でまだ壁を向き、しゃがみ込んだまま見えない部長に罵声を浴びせる。
「あの馬鹿!!よくもあんな場所で~!!みんなの前でぇぇえ!!信じられない!!あんな場所じゃOKなんて言えるわけ無いじゃない!!信じられない!!信じられない!!」
「(え、)」
みくはそんな顔を真っ赤にしながら部長に恨み言を言う緋芽の言葉で、何もかも気付いてしまった。