新聞部部員AとBの事情。






「変だ。」



利郎は部室でパソコンをカタカタ言わせながら独り言を空中に吐き出した。


だってどう考えてもおかしいのだ。


普通、恋敵が目の前にいたらあんな反応するのだろうか。


あんな、応援するような真似。

少なくとも自分ならそんな寒けがするようなことしない。

例え相思相愛でも潰しにかかる。

こんなにこじれているなら尚更だ。


欲しい物は手に入れる。


普通、そうではないのか?


「まぁ恋だの愛だのでそんなアホな事したことないけど。」


めんどくさそうだし。



「わーみずっちが独り言言ってるー。」



部室の扉からちょこんと顔を出し、物珍しそうに顧問が目をキラキラさせている。


突然のイラッとする来賓に利郎はチッと舌打ちを隠そうともせず、パソコンに目を落とした。





「そろそろ潰しましょうか?」





「何をー?!」




それでも顧問はちょこちょこと部室に侵入し、ビビりながらも利郎の隣にちょこんと立つ。



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