新聞部部員AとBの事情。
「……わざわざ覗きに来なくてもちゃんと間に合いますよ。」
心配せずとも来週分はこのレイアウトが終われば完成。
何しに来たんだと利郎は居心地悪そうに椅子に座り直した。
「いやー先生みずっちが新聞作ってるところ見てるの好きだからさぁ。」
顧問はニコニコと首をかしげてパソコンを覗き込む。
「新聞部はみずっちがいるからなにがあっても大丈夫だね。」
「背が低くて童顔って男としてはなんのメリットも無いですよね。」
「なんで?!褒めたのに!!(泣)」
自分の童顔な顔を撫で回しながら半泣きになってる顧問に冷めた目でメモリを渡す。
「後はよろしくお願いします。」
「あれ?もう帰るの?」
そういったっきり黙んまりを決め込み、利郎は身支度を始める。
「え、えー!!もしかして印刷俺だけ?!みずっち手伝ってよー!!っていうか印刷別に顧問の仕事じゃないし!!」
「…。」
「あ、じゃぁ柚っちに手伝ってもらおうかな。」
「柚木なら今日は来てません。」
昨日も今日も、来てません。
顧問はきょとんとして、えっ珍しーと呟いた。