新聞部部員AとBの事情。
そうなのだ。お前は皆勤賞でも狙ってるのかというぐらい毎日部活に顔を出してたチビモモンガは、何故か今日は部活に顔を出さなかった。
さすがに昨日の今日で落ち込んでるのかと思って見たが、生まれてこの方片思いなどしたことのない利郎に真意はさっぱり分からない。
片思いの相手が8年越しの恋にやっとこさ失恋したかと思ったのに、実は全然両思いで二人でごちゃごちゃしてるだけだったなんて…。
利郎は自分に置き換えて考えてみるも、正直そんなことになったら馬鹿馬鹿しくてやってられないということしか分からなかった。
落ち込んでないで、いっそのこと、何か行動すればいいのに。
人の応援なんてしてないで。
少しはあがいてみればいいのに。
柚木の事を考えると、利郎は最近イライラするのだ。
また眉間にシワがよる。
「わっ!ちょっ!怒んないでよみずっちー(泣)」
そんな不機嫌な利郎を顧問は慌ててなだめようと手をバタバタさせる内に、廊下が騒がしくなってきた。