新聞部部員AとBの事情。
「部長ー!ちょっとだけ!ちょっとだけです!!お願いします!」
ガランッ
それは今まで見たことのない光景だった。
柚木が部長を部室まで引っ張って来たのだ。
「なんなんだよチビ!良いとこだったのによぉ!」
「一生のお願いです!!ホントに!悪いようにしませんから!」
部長にあんなに食い下がれる人物は珍しい。
ついでに折れる部長はもっと珍しい。
相当粘ったんだろう。
部長の顔にも困惑の色が出ている。
その後ろから淀野達がニヤニヤしながら部室に入ってきた。
顧問は部長を見るなりヒーっ!とゴキブリのように逃げていく。しかもメモリを机の上に置いたままだ。
いったい、何が始まるんだ。