新聞部部員AとBの事情。






…床屋の妹というのも馬鹿には出来ないらしい。



うねうね前髪のテッカテカの部長は髪の毛から眉から揉み上げ、さらに無精ひげと見事に綺麗に整えられ、最後にあぶらとり紙でおでこを押さえつけられ、完成した。


淀野が小声でアイツやるじゃん♪と珍しく誉める。


部長の威圧感のある顔立ちを綺麗に引き立てつつ、清潔感のある大人の男性といった髪型で、まあ高校生には居そうにないが、良い意味で部長は大変身した。


そんなブスッとしている部長をキラキラの瞳で鈴木と山本が見つめる。


「部長!前の部長も充分男らしくて格好良かったですが、更に凛々しくなっちゃって…っ!!どこまでもついて行きます…っ!!」



「抱いて欲しい……」



きゃあきゃぁハシャぐ二年男子の傍らで、ふぅと充実した顔をして柚木はハサミを直していた。


利郎はそんな柚木をじっと見つめる。


しかし何が目的なんだ。



“大丈夫です!すぐに教室に戻れますよ!”


あの言葉はただの戯れ言ではないのか?何をするつもりなんだ?



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