新聞部部員AとBの事情。


「俺が勝ったら、もうこれっきりだ。」


そうキリッとした顔で言いながら崇城は右腕の袖のボタンを外し、そして左腕にも取りかかろうとしたが、なかなか左腕の袖のボタンが外せない。

やたらと格好いいセリフの後にコレだ。

いったい学校のどれだけの人が彼の本質を見抜いているのか。


「なんだよ珍しくやる気じゃねぇか。ハッ。お前喧嘩なんかやったことあるのかよ。」


部長もノリノリで首をごきりとならす。

一番焦っていたのは、下の方でぴょんぴょんしている柚木だった。

「部長!早くしないと!」

ヒメちゃん先輩が…っ!

そんな言葉と一緒に柚木が半泣きになっている。

いったい柚木は緋芽先輩に何時まで待っていて欲しいとお願いしたのであろうか。

…最悪の事態は避けたい。

じゃないと…修正不可能になる。


「淀野!!ゴング持って来い!!」

「よし来た!」


淀野は相変わらず楽しければなんでもいい精神に忠実である。

というか、なんでこの部屋にゴングなんかあるんだ。


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