新聞部部員AとBの事情。
いっそのこと、(崇城には悪いが)ちゃっちゃと倒してすぐにでも部長を保健室に連れていければいいと利郎は思っていたが、意外な誤算があったのだ。


バコンッ!


「…う…っ!」



崇城は、強かった。



お互い顔を腫らしながら、一歩たりとも引かない。




ガスッッ!



崇城の眼には決心の色が伺えた。

筋肉男の部長相手に互角にやり合っている。


…なんでこの男、今まで大人しく縛られてたんだ。


柚木も初めて目の前で男同士の殴り合いを見たのだろう。


さっきとは違う意味でハラハラしている。


胸の前で強く握られた手は、


…少し震えていた。


「!」



それを目の端に捉えた利郎は、今までのイライラとごちゃごちゃが一気に頭の上まで来て、


自分でも聞いたことのない声が口から出て来ていた。




「…いい加減にしてください!!!!!」



「「え?」」



ドコッ…ッォ!!



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