新聞部部員AとBの事情。
「…なんだよ。なんなんだよ…。思い通りにならねぇことばっかりじゃねえか。…緋芽には振られるし、アイツには負けるし、ふざけんじゃねぇよ…っ。」
「…。」
「どれだけ俺が緋芽の事思ってきたのか知らねえだろ…。8年だぞ8年。ずっと好きだったんだからな。お前が俺にドロップキックかましたときから一時も忘れた事なんかねぇんだからなっ。」
ドM…!!
緋芽先輩は静かに部長の泣き言を聞いている。
「…。」
「そんなの知りもしねぇでお前はどんどん綺麗になるし、他の奴らには猫被るし、俺には変わらず笑いかけるし。こっちがどんな気持ちでいたかなんてわかんねぇんだろ。」
「…。」
「もう…。どうせ俺は馬鹿みたいに緋芽の事が好きで好きで仕方ないんだよ!馬鹿やろっ。くっ…」
そう言い切ると、部長は緋芽先輩の膝の上でくるんと横を向き、涙を拭った。
「…。」
その様子を見つめながら緋芽先輩はしばらくしてやっと口を開いた。
「…っ。」
「…。」
「…ずずっ。…。」
「…、ていうか私、振った記憶ないんだけど。」
えええーーーっ!!!