新聞部部員AとBの事情。
「あぁトリィ!お帰り。どう?記憶ある?」
「忘れたい事まで覚えてる。それよりなにやってんの。」
あきらかに不審者を見つめる目で質問をすれば、いつものニヤリとした淀野スマイルが返ってきた。
「それがさぁ、あのあと崇城センパイで遊んでんのが姫にバレちゃって。」
あはははと笑う淀野に姫が吠える。
「笑い事じゃないわよ!!何考えてんのよあんたたち!!崇城君まったく関係無いじゃない!みずみずは当然知らなかったのよね?」
キッと気性の荒いお姫様に睨まれ、利郎はケロッと嘘を吐く。
「はい、俺ナンニモシリマセン。」
「あー!お前ずりー!!」
「あの…、」
柚木が部屋の端の方から遠慮がちに質問する。
「そう言えば、なんで崇城先輩追っかけ回してたんですか?」
今のところ部長と緋芽先輩のいざこざの間に名前すら出て来ていない。
みくの素朴な疑問に、水島は目を丸くする。
「あれ、説明してなかったっけ。」