黒い夢 白い月
黒い夢
―――急いで支度をしている私の姿が、鏡に映っている。
ふと隣の壁に目をやれば、カレンダーの今日の日にちに丸印と【my Birthday】の文字。
自然と緩んでいく頬。
…と、こんな事してる場合じゃなかった。
急がないと遅刻してしまう。
彼との待ち合わせ場所に向かう足が、次第に速さを増していく。
気が付けば走り出していた。
一刻も早く彼に会いたい。
会いたい。
会いたい。
会いたい……