黒い夢 白い月
エピローグ
薄明の空に、まだ白い月が浮かぶ頃。
清潔感漂う、白で統一された一室。
柔らかな風がカーテンを揺らす。
すぐ側の椅子に座っている彼は、上半身だけをベッドに身を預け眠っている。
その彼の手は、ベッドに横たわる彼女の手をしっかり握っていた。
何かに気付き目を覚ました…彼。
彼女の顔をそっと覗き込み、優しく微笑んだ彼の目には光るモノがあった。
テーブルの上には完成間近の千羽鶴と、三角に折られたままの白い折り紙が一枚。
風に揺られ、白い折り紙がベッドの上に落ちた。
そこには……
《必ず…待ってる》
丁寧に書かれたメッセージがあった。
-END-