黒い夢 白い月



初めは気味悪くも思ったりしたけれど、何故か捨てられなかった。


良く言えば、味のある…

悪く言えば、少し不格好な折り鶴は、毎日様々な色で折られていた。



サイドテーブルの引き出しの中には、溢れんばかりの鶴が仕舞われている。

999羽目の水色の鶴をその中にそっと入れると、ティッシュで目を軽く覆った。


これも日課になってしまっている。



ティッシュをくず箱に捨てると、一度大きく息を吐きだしベッドを抜け出した。


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