王様と庶民～九条家長女のお話～

「どうしてA組なんかに庶民が紛れてるのよ」

「！！」


お手洗いの中の会話に足が止まる


「同じ教室で授業なんて受けたくないわ」

「今日の朝だって初等部の子をつれ回していたみたいだし」

…いやいや、こっちがつれ回されてたんだって

「庶民なんかがこの学園で過ごせる訳ないでしょうに」

「それより昨日の入学式、」

「椅子を倒す勢いで立ち上がるなんて、野蛮だわ」

「近付いたら怪我どころじゃないわよ、きっと」

「早く学園から去ってくれないかしら」


…こういうとき正義感の強い女の子は乗り込むんだろうけど、私は平和主義なので


「今日は夕飯何にしようか」

朝のように自転車に乗って帰路についたのだった


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