王様と庶民~九条家長女のお話~
コンコン
「1-Aの九条ですけど、先生に頼まれてプリント持ってきました」
無駄に豪華な扉を叩いて入室許可を待つ
「どうぞ」
「失礼します」
……ここってどこかの家のリビングかなんかだっけ?
生徒会室にはソファーに机、テレビに簡易キッチン、高価そうな絵画に花瓶、etc…
とても生徒会室には見えない
「ありがとう。そこの机に置いてくれないかな?」
「…はい」
「君は、特待生の九条さん、だっけ」
「まぁ、そうですが」
それよりこの人……
「噂は聞いてるよ。秀才なんだってね」
「……」
なんて嘘くさい笑顔をするんだろうか
「僕は生徒会長の東郷雪斗。よろしくね」
「1-A九条瞳。…よろしくお願いします、先輩」
「!!」
「それじゃ私はこれで」
居心地の悪い生徒会室を出ようと、ドアノブに手をかけた
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