王様と庶民~九条家長女のお話~
友達
生まれて初めて自分でつくった友達は
俺の周りにはいない、珍しい奴だった
~友達~
雪斗said
家でも学校でも息が詰まるような生活
“完璧な本郷雪斗”
勉強も運動も出来るのは当たり前
―――努力してるのに
頑張っても頑張っても
―――“本郷”だから当たり前
皆が見てるのは俺じゃなくて“本郷家”
話しかけてくるのは“本郷”だから
だれも“俺”には興味がない
これからもずっと
俺は
ヒトリ?
耐えられなくなると、こうして唯一1人になれる場所
生徒会室に来る
生徒は勿論、教師でさえ入室の許可は出さない
本郷雪斗が唯一俺でいられる場所だから
なのに、何でだろう
自分でもわからない
他人を俺の空間に入れるなんて
.