王様と庶民~九条家長女のお話~
バイト
「そろそろ始めなきゃなぁ…」
~バイト~
春休みのコンビニ、ファーストフード、でのバイトで稼いだお金は、
新学期は何かと物要りで
消えてなくなりました
「何のバイトがいいかな」
高校生のバイト代なんてたかが知れてる
駅前によく置いてある求人雑誌を捲りつつ、溜め息が溢れる
「学校始まる前か放課後から夕方7時までが有難いんだけど…」
そんな都合のいい仕事があるわけないし
「瞳、バイト探してるのか?」
「健太君!!」
昼休み、教室に戻るにはまだまだ時間があるので
中庭にきた
「また自転車?」
健太君は何かと私の前によく現れる
大部分が自転車に乗らせろ、だけど
「いや、今日は頼み事があって」
「私に出来る事なら、って言いたい所だけど、今九条家の危機かもしれないんだよね」
もうすぐGWだし、少しは遠出したいし、
その為のお金の確保を!
「昨日俺の家庭教師が辞めて、探してるんだ。瞳は馬鹿だけど頭はいいだろ?特待生だし」
「ねぇ、貶してるの?褒めてるの?」
「意外性を褒めてるだろ」
「……」
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