王様と庶民~九条家長女のお話~
「とりあえず今はテストの為に勉強しよっか!」
「そうだな」
それだけ言って、
初等部の教科書を広げた
「坊ちゃま、そろそろ夕食のお時間です」
「…もうそんな時間か」
「それじゃ、残りは次までの宿題ね」
部屋に入って来た橘さんの言葉に
時計を見上げる
ぴったり7時だ
宿題を健太君に渡して、立ち上がる
あ、そうだ
「健太君、次のテストで全教科平均点+5点以上だったら行きたいところに連れていってあげよう」
「「…へ?」」
「おお、2人共息ぴったり(笑)」
「ほ、本当か?!どこでもいいのか?!」
「…一応県内でお願いします」
海外なんて言われちゃ九条家破産する←
「分かってる」
「そっか。良かった」
夕飯を食べたらまた勉強を開始するらしく、
健太君は急いで食堂に向かっていった
「…九条様、」
「はい?」
健太君の後を追おうとする橘さんが、扉の前で止まる
「九条様が家庭教師になられてから、坊ちゃまは変わられました。」
「……」
それは良い意味でなのか、悪い意味でなのでだろうか←
「…これからも坊っちゃんをよろしくお願い致します」
「!こちらこそ、よろしくお願いします!」
「ただ、」
「?」
「……テストで目標をクリアした時、くれぐれも変な場所には連れていかないで下さいね!」
「はっ、はいっ!」
.