王様と庶民~九条家長女のお話~


「どうかしたのか?瞳」


「先輩……」



悶々としたこの気持ちを鎮めたくて、

でもそんなこと相談する人なんかいなくて…。


結局いつものように生徒会室に来てしまった



「…成績だけが人生じゃないと思うんです」


「まあ、そうだな」

「馬鹿だからダメとか、そんなのわからないじゃないですか!!」

「…何か、あったのか?」


先輩は、淹れてくれたコーヒーを私の前の机に置いた



「私は、皆違って皆いいと思うんです。」

「……」


先輩は何も言わない

ただ黙って私の話を聞いてくれる



「…でも、現実はそんな甘いこと言ってられないんですよね(苦笑)」

「…そうだな」


人間中身なんてものはすぐに分かるものじゃない

…だから皆勉学で人を区別する



「…ごめんなさい、雪斗先輩。愚痴ってしまって」

「いや。すっきりしたか?」

「はい!」

「ならいい」


それだけ言うと先輩はポンポンと私の頭を撫でた





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