王様と庶民～九条家長女のお話～

「君、」

「！なっ、何を」

「貴様、坊っちゃまに」

「あー、うるさいなぁ」


自転車の後ろに彼を乗せる
座布団がくくりつけてあるから、
お尻は痛くないだろう


「橘さんだっけ？仕事かもしれないけど、過保護すぎ。
貴方の大事なお坊っちゃまには傷１つ付けないって約束するから安心してよ」

私も自転車に乗る

「あ、後君も。橘さんは君を心配してるだけなんだからそんなにあたっちゃ駄目だよ」

「「……」」

二人は一切口を開かない


「ふぅ、…しっかりつかまってよ。今日だけ初等部まで連れてってあげるから」

あ、あと道案内よろしく


それだけ言って自転車を発進させた










「次はどっち？」
「右だ」
「…ってかこの道さっき通ったよね」
「………」
「…ここで降ろすよ」
「！……そこで左だ」
「りょーかい」


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