恋のレッスン〜先生は幼なじみ〜
私は西条先輩の話を思い出していた。

森君が生徒会長に立候補するにあたり、強敵の出現にカリカリしてるという話を。


でも、ほんとかなあ。信じられないんだけど。


「どうした?」


「うん。でもなあ……」


「言ってみろよ?」


「うん。笑わないでよ? 大輔は生徒会長に立候補するのかな、なんて」


「……ばれちまったか」


「えーっ、ほんとなの?」


「ああ、まだ正式に決まったわけじゃないけどな」


そう言えば、それなら前に大輔が生徒会室に行ってたのも頷ける。でも、


「どうして?」


「そりゃあ、全校生徒のために働いてみたいからさ」


「嘘ばっかり!」


「嘘って、おまえな……」


「そんな気なんかないクセに。第一生徒会をやったら、家の仕事はどうするのよ? 絶対おかしい。何か裏が……え?」


“何か裏があるんじゃないの?”と私が言おうとしたところで、大輔は私の手からお茶のペットを取り上げた。


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