恋のレッスン〜先生は幼なじみ〜
「やめてよ! 今は英語の予習で忙しいんだから……」


「あ、そう。じゃあ今、ここで話すか?」


私が抵抗すると、大輔はそう言って目を細めてニヤリとした。

私に意地悪する時によくする顔付きだ。


「え?」


「おまえ、いったい誰に失恋……」


「シッ。黙れ! バカ!」


私は咄嗟に立ち上がると、手を伸ばして大輔の口を封じる仕種をした。

こんな衆人監視の中で、そんな話をされちゃ堪ったもんじゃない。


しかし私が出した手は大輔にギュッと掴まれ、「だったら来い」と言われて引っ張られてしまった。


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