恋のレッスン〜先生は幼なじみ〜
「きっと大ちゃんね。美穂、ボーッとしてないで、早くドアを開けてあげなさい?」


いつもはすぐに大輔を迎えに玄関へ行く私だけど、今夜は嫌で、私は動こうとしなかった。


「イヤ。お母さんが行ってよ」


「しょうのない子ねえ」


呆れながら母が迎えに行き、大輔が「オッス」と言いながらダイニングに入って来た。


私がキッと睨むと、大輔はバツの悪そうな顔をした。


「大輔、遅い!」


「悪い。おやじのスーツをクリーニング屋に取りに行くの忘れててさ……」


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