恋のレッスン〜先生は幼なじみ〜
私は大輔に負けないように、ご飯を大急ぎで食べた。


大輔って、すごく食べるの早いんだもん。下手すると、私が食べ終わらない内に帰っちゃう事すらある。


慌てて食べたので、せっかくのご飯を味わった気がしないけど、今夜は仕方ない。


「まだ帰んないでよ?」


と大輔に耳打ちして、私は食器の後片付けをした。



「大輔、ちょっと私の部屋に来て?」


「お、おお」


返事はしたものの、ノロノロと動作の遅い大輔の腕を私が引っ張っていたら、


「あら、私はのけ者?」


と母が寂しそうに言った。


「ううん、そうじゃないの。大輔に見てもらうものがあって……」


「何を見てもらうの?」


「え、あ、勉強? うん、英語が分かんなくて……、えへへ」


と、苦しい嘘をついてしまった。

時期が来たら話すからさ、ごめんなさい、お母さん。


< 58 / 141 >

この作品をシェア

pagetop