恋のレッスン〜先生は幼なじみ〜
「だ、大輔……!?」


なんと、中から出て来たのは大輔だった。


大輔も驚いたみたいで、「あっ」と言ったが、罰が悪そうに私から視線を逸らした。


それは、昔から悪戯や嘘がばれた時にする、大輔の見慣れた仕種だ。


でも、その後の大輔の表情は、私でもよく分からないものだった。


怒ってるようにも見えるし、困ってるようでもあり、悲しいような寂しいような……


私がポカンとしていると、


「西条さんなら中にいるぞ」


と言って、大輔は私の横をすり抜けて行ってしまった。


「ちょっと、大輔!」


私が呼び止めても、大輔は振り向かなかった。


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