恋のレッスン〜先生は幼なじみ〜
部屋に戻った大輔は、目が赤かった。

たぶん洗面所で顔を洗っていたのだろう。


大輔は私の顔をジーッと見ると、フッと笑った。


「な、何よ?」


「え? ミイの顔もブサイクだなと思ってさ」


「ひどーい」


“も”ってことは、大輔も鏡で自分の顔を見たってことよね。


「ねえ、何をしてたの?」


「ん? 今か?」


「じゃなくて、さっき“取り込み中だった”って言ったでしょ?」


「ああ、コレを取り込んでたんだよ」


大輔が“コレ”と言ったのは、畳の上に山になってる洗濯物だった。


つまり、大輔は洗濯物を正に“取り込んで”いたらしい。


< 76 / 141 >

この作品をシェア

pagetop