恋のレッスン〜先生は幼なじみ〜
「ううん、ほんと」


「チッ、何だよアイツ……」


「え?」


小声だったのでよく聞こえなかったけど、“アイツ”って聞こえた気がした。


「じゃあ、あの後文句を言ったんだろ? 西条さんは何て答えた?」


「ううん、言わなかった。そのつもりで行ったんだけど……」


「言わなかったのか? なんで?」


「何となく……」


今度は私が大輔から視線を逸らし、下を向いて洗濯物に目を移した。


“大輔の事が気になったから”とは言えなかった。


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