恋のレッスン〜先生は幼なじみ〜
「おまえ、本当に西条とキスしたのか?」


“西条”って、呼び捨て?

別にいいけど。


「したって言ってるでしょ?」

と私が言ったら、


「ふっ」


大輔が不意にニヤッとした。


「な、何よ?」


「やっぱり嘘か……」


「嘘じゃないもん!」


「いいや、嘘だね。おまえは昔から、嘘をつくと目が泳ぐからすぐ分かる」


やっぱりばれたか……

昔から私は大輔を騙すのが苦手だった。観念して、


「そうよ、嘘よ。手だって握ってないわ」

と言い、“だからどうだって言うのよ?”という目で私は大輔を見た。


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