恋のレッスン〜先生は幼なじみ〜
「それは……まあそうだけど、真剣に付き合った子はいないっつうか……」


「そんなの私には関係ないし、女の子に失礼なんじゃない?」


「ああ、俺もそう思ったから、最近は誰とも付き合ってないよ。忙しいし」


確かに、しばらく前から大輔に彼女はいなかった。告られても、全部断ってるって噂が私の耳にも届いていた。


「なあ。勝手なのは分かってるけどさ、ミイが誰とキスしたのか、教えてくれよ?」


大輔は眉毛を下げ、情けなさそうな顔で言ったけど、私は冷たく「イヤよ」と答えた。


それでも大輔は引き下がらず、知ってる男子の名前をあげたりしたが、私は頑として教えなかった。


そして、

「じゃあ、帰るな?」

と言って大輔は私に背を向けた。


その寂しそうな後ろ姿を見ていたら、私は考えるより先に、体が勝手に動いていた。


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