君がいるということ。


「その次は金銭感覚テストで、金を稼ぐ手段は選ばないが、低いながらもプライドは持っている。って出て、これまた大当たり! ほら証拠に今もメイドはやってるけど、売りはやってないっしょ? んでラッキーナンバーは五! だから部活サボって、五時に家に帰ったわけ! そしたらママがイヤなことあったのかって心配して、お金くれたのさ! 超ハッピー!」

 だったら母さん、相談でも聞いてやれよ……。と頭で突っ込みながら、詩花は話の終わりを待つが、一向にそれは見えない。

「んで三回目! 勉強法診断で、短期集中をしたいが、結局、短期も長期も集中出来ないって出て、まあ……恥ずかしいながらも当たりなのですよ。んでラッキーアイテムは蝉の抜け殻。だからテストの日にポケットに蝉の抜け殻入れて受けたのね。そしたら十番も順位が上がって、ミラクルー! みたいなね!」

 詩花はイライラを通り越し、鬱陶しさも通り越し、狼狽していた。

 黙って聞いていたが、結局何を言いたいのか、ちっともわからない。

 しかも美咲の口はまだまだ元気に大長編を物語ることが出来そうだ。


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