姫は今日もご機嫌ナナメ
“え、あ、えと…七瀬 薫……です”


そう言うこいつ…薫が、不覚にもかわいく見えてしまったから。


「不意打ち☆」

俺はそう言った。

遊びなんだから、これぐらいいいだろ。


そう思ったものの、薫は少し泣きそうな顔をした。


そんな反応、された事なかった。


女どもは皆、頬を染めて、計算された上目遣いで俺を見た。

“翔…好き……”

そんな女どもの反応を見る度、俺はショックを受けた。


対して関わってもいないクセに、当然のように好きと言える女に。


俺も遊んでるから、人の事言えないけどな。


でも薫は、今までにされた事のない反応を示した。

…面白そうだ。




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