姫は今日もご機嫌ナナメ

「え…あ、あのぉ…」


女は顔を赤らめながらも、その場で言葉を紡ぎ出す。

ゆっくりと、焦らしながら。


「あの…私…」

「何??時間ねぇんだけど」


そんなの、俺にとってはただの迷惑でしかない。


「日浦様が…」

出た。この呼び方されて、喜ぶと思ってんの??

「えと…その…」

モジモジし出す目の前の女。


サッサと言えよ。“好きです”ぐらい簡単だろ??

とにかく…早く俺を解放してくれ。


…面倒臭ぇ。



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