姫は今日もご機嫌ナナメ
“薫ー!!メシ行くぞ!!!!”
ちょっと強引だけど、優しい。
それが日浦くんだった。
それが、あたしの知ってる日浦くんだった。
なのに。
目の前のこの人は…誰??
ーパァンッ
「っ!?!?」
気付いたら、動いていた身体。
思いっきり引っ叩いた右手。
赤く腫れそうな、頬。
「薫…??」
あたし今、何した??
「最っ低…!!!!」
あたし今、何言った??
何が、起きた??
わからないけど、目の前には俯いた日浦くん。
そしてその奥に、困り果てた女の子。
「服着て…早く行きなよ」
自分の声とは思えない、低い声で、女の子を促した。