姫は今日もご機嫌ナナメ

「っ……」


突然のタケ先輩の言葉に、声が詰まる。

なんて言ったらいいのかわからない。


『薫ちゃん』


一向に返事をしないあたしに痺れを切らしたのか、優しい声で、タケ先輩はあたしの名前を呼んだ。

愛おしそうに、大切そうに。


そんなタケ先輩に、あたしはなんて言ったらいいの??



『俺と、付き合って』




タケ先輩はいつになく真剣な声で、そう言った。

その言葉にあたしは無意識に、返事をしていた。



「あたしを支えてください…」








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