姫は今日もご機嫌ナナメ

タケ先輩は…。


なんで

「あ…ありがとうございます」

なんでそんなに

『つーか敬語禁止っ』

「えぇ!?」

優しいんですか??


『じゃあ…そろそろ遅いから切ろうか??』

「あ、はいっ!!」

『…“はい”じゃなくてー??』

「う…うんっ……!!」

『ひゃっひゃっひゃっ。よく出来ました☆』

「あ!!タケ先輩、今絶対あたしの事馬鹿にしましたね!?…じゃなかった、したよね!?」

『え??してねぇしー♪』


タケ先輩との電話は心地よくて、時間が経つ事なんてすっかり忘れて話し続けていた。


「うげ!!タケ先輩っ、もう2時間以上話してるっ!!!!」

『お、本当だ』

「リアクション薄っ!!と、とにかく切りま…切るね!!」

『くっくっく…。また明日な??』

「は…うん!!おやすみなさい」


まだ敬語になりそうなあたしの事を笑うタケ先輩。

馬鹿にされてるのに、何故か心があったかくなった。



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