白と黒のフィス
「私は出来ていると?」

「少なくとも、言葉の意味を解って使っている。
まあ、この事はあまり重要じゃない。第二の理由が決めてだ」

「あらそう・・・ヒトの言葉覚えるの大変だったのに。
それで第二の理由って?」

「ドラゴマブカの牙が効いてなかったことだ」

「・・・確かに私は効いている振りはしていたけど、それと私が素材階級じゃない理由にはならないんじゃない?
たまたま効きが悪かっただけかも」

「ドラゴマブカの牙は確かに扱いが難しい。
だが、その効果は絶大だ。
一度効けば、その効果はほぼ阻めない。
効果を阻む数少ない方法がエルフの魔法階級にはある」

「・・・随分詳しいのね。
その方法は秘中の秘として、口外無用なはずなんだけど」

「この数の黒真珠を持っていると色々知っているのさ。
まあ、あの方法はエルフの魔法階級にしか出来ない、だから決め手になったわけだ」

「どうやら、お手上げの様ね。
その通りよ、私は魔法階級の出身」

「やはりな。
そうなると、こんな事をした理由は、国外へ出るためか。
封環もしていないところを見ると、一人で戦争でもしに来たのかね」
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