失恋の治療法 ～私が立ち直るための一週間～

一日目

「俺と別れてほしい。」
「…理由は？」
「好きな人が…出来たんだ。」
「そっか…分かった。」
日曜日の午後、天気は雨。しかも土砂降り。
大好きな彼といつも待ち合わせ場所に使ってた喫茶店に呼ばれた私はたった今、別れを告げられた。
「私もう行くから。」
「ああ、じゃあな…。」
私はすぐに店から出た。
一応折りたたみ傘は持ってたけど、雨に濡れたい気分だった。
―なんで私があの女に…!!―
私は帰路についた。



夜、私はある人に電話をした。
「もっしも～し」
「もしもし、綾乃？」
「あっ悠子だ!!どうしたの～」
「綾乃…酔っ払ってる？」
「んな訳ないでしょ～普通よんっ。」
この子は普通の状態でもこんな喋り方だったね、確か。
「悠子～今日はどうしたの～？」
「あのさ、今日フラれちゃった。」
「へぇ～……ってえっ!?ウソでしょ!?」
「本当。」
「そんな…あんな仲良かったのに…どうして？」
「好きな人が出来たんだって。」
「ああ～そっち系かぁ～」
そっち系って他に何系があんのよって言いたかったけど抑えることにした。
「悠子…大丈夫？」
「うん、なんとかって感じかな。」
「そっかぁ～…あんまり無理しないでね、愚痴ならめっちゃ聞くから!!」
「ありがとう、まあ今日は報告したかったから電話しただけ。」
「…もう悠子ったら未練あるのバレバレ～。」
「えっ？」
「あやはそこまで馬鹿じゃないぞ～」
綾乃…語尾伸ばす癖直ってないから馬鹿っぽく見えるだけよ。
「ねぇ悠子～？失恋から立ち直る方法って何か分かる～？」
「いや、知らない」
「じゃあ教えてあげる!!一応明日からが実践する奴だけど、下準備ってことで今日は泣きなさいねぇ～」
「うん、分かった。詳しいことは明日話すから、また明日。」
「分かったよ～おやすみ～」
「おやすみ。」
ﾌﾞﾁｯ
私は綾乃には言えなかった。まだ、一度も泣いていないことを…