あなたに助けられたから
いつもと違う、真剣な顔のヤスノリに私は驚く。


(どうしちゃったんだろ…?)


そう思いつつ、ヤスノリが指を指したベンチに座った。


ヤスノリは私の隣で、プシュ…ッと缶ジュースを開ける。


「俺さ、知ってんだ。
お前が、昔学校行ってなかったこと。」


ヤスノリの言葉に

「…え?」

と、聞き返した。


「俺んち、転勤族だったから、お前覚えてねーだろうけど。
俺、お前の小学校に通ってたこと、ある。」



途端にフラッシュバックした。


学校の下駄箱に失くなった外靴。


暑くて、か、焦りなのか分からないけど、額に汗を垂らしながら、一生懸命靴を探してた。


事の発端はほんの些細なものだった。


クラスのリーダー格が他の子をいじめてて、私が止めた。


…たったそれだけだったのに…。


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