やりなおし枕【BL】
そしてあの日よりも強引に、
元秋は池へと向かおうとする。
折角、やり直せると思ったのに。
繰り返すだけなのか。
ただ、絶望させるだけか。
呼んでいるのに、
どうして振り向かない?
走る彼の背中を追い、
俺はあの日よりも早く、足を動かす。
……なんだ、やればできるじゃないか。
追いつこうと思えば、出来た。
ちゃんと分かっていれば、
彼の背中を押せる位には間に合うんだ。
車から逃れるのは、
どうしても無理らしい。
それでも、やり直した意味はあった。
彼を死なせずに済んだのだから。