手
彼をつれて家に戻ると、
机の引き出しが空いていました。
引き出しから肩が見えていて、
また伸びたのが解りました。
もうすでに手じゃなくて腕です。
水城は怖くなったらしく、
すぐに自分の家に帰りました。
この薄情者め。
怖いのはこっちだってのに。
大体彼はいつもそうだ。
肝試しだって、
自分一人で先に帰ってしまった。
残された方の身にもなってほしいよまったく。
取り出そうにも、
腕はどこかで引っかかってしまっているし
結構な重量になってしまっていたから諦めました。
そのまま放置して、
ご飯を食べて。
眠る頃には腕は
首の付け根と胸までついていました。