ありえない高校生マリッジ
伊集院先輩はデスクの椅子から立ち上がって、私達の元に歩み寄る。

「ちょっと貸してくれ」

「え、あ・・・でも…大丈夫ですか?」

「私にはまだ2歳になったばかりの弟が居るんだよ。赤ちゃんの抱っこには慣れてる」

伊集院先輩は智樹を抱っこした。

渚君が智樹を抱っこする手つきは落としそうで怖かったけど、彼の抱っこは安心出来た。

「智樹君、重いな・・・」

「10キロあります」

「10キロの米袋を抱っこしてるようもんだな・・・」

伊集院先輩は智樹の背中を優しく摩る。

智樹君は機嫌を直し、そのまま目を瞑ってしまった。


「寝てる・・・」

「じゃベットに運ぶか」

「はい」
< 112 / 182 >

この作品をシェア

pagetop