ありえない高校生マリッジ
二人のカラダの重みで弾むスプリング。

互いにベットに寝そべり、見つめ合う。

「そう言えば、俺たちって神の御前では愛を誓い合っていない」

「ですね・・・」
私も相槌を打つ。

私達の結婚は婚姻届けと言う紙切れ1枚。

それを役所に提出して、夫婦になった。

「敦司が言うには、お前は自分の出生の秘密を知って、自分は生まれていけない子供だったと絶望して、泣いたらしいな」

「だって…私は・・・」

「俺がお前の絶望を希望に変えてやる」

「渚君?」

渚君は上体を起こして、私の耳許で囁く。


「お前は俺の為に生まれたんだ。俺を愛する為に」

「渚君・・・」

彼は私のカラダを仰向けにして、のしかかった。
ドキドキ…高速に鼓動を打つ心臓。

次の瞬間、スヤスヤ眠っていた智樹が突然、泣き出した。
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