ありえない高校生マリッジ
「君は席を外してくれ」

「わかりました・・・頭取」

学園長は言われるままに、廊下に出てしまった。

「・・・君は私のコトを知ってるのか?」

「え、あ・・・はい・・・」

「誰から訊いた?敦司君か?」

「あ・・・」
この場合、このまま『うん』と返しても良いのだろうか?
伊集院先輩に迷惑掛からないかな?


「すべてを知っているなら、単刀直入に言う。
私は君を娘とは認知していない」

私の実の父親は、鷹栖さんのように心の温かい人ではなかった。
冷酷無比な人柄だった。彼にとって私は存在自体が邪魔なようだ。

「氷室歳三は亡くなったようだな・・・全く、彼も妹の代枝子も、食えないな・・・息子と私の血を引く娘を結婚させるなんて・・・」


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